<第1話>横浜アリーナに「空飛ぶ冷蔵庫」現る!【NBAと冷蔵庫】
 別に横浜アリーナで家電メーカーの展示即売会があったわけではない。その昔、かれこれ二十数年前のことだ。当時、「マイブーム」という言い方はなかったと思うが、NHKが衛星放送の目玉番組で中継していたアメリカのプロバスケットボールリーグ「NBA」観戦が、私のマイブームだった。
 日本ではまだまだマニアックな世界だった「NBA」も、衛星放送の普及と、何よりも1992年のバルセルナオリンピックで一躍脚光を浴びることとなる。そう、所謂「ドリームチーム」、NBAのスーパースター軍団で構成するアメリカナショナルチームの結成だ。
 そして、その中で一際目立ってプロ魂を発揮していたのが、当時、フィラデルフィア・セブンティシクサーズのフランチャイズビルダー、「空飛ぶ冷蔵庫」ことチャールズバークレーだった。
 「NBA」について語り始めたらきりがないほど、スポーツ観戦マニアとしては勿論、職業観にまで、実に大きな影響を受けた。特にマイケルジョーダンのプロ意識は‥‥。などと話していると本当にきりがないので、「NBA」の話しはまた機会を改めて。今回は何とか冷蔵庫と料理の話しまでは持っていきたい。
 チャールズバークレーが何故「空飛ぶ冷蔵庫」と呼ばれたのかは容易に判る。デカイのにゴール下での空中戦に滅法強いからだ。リバウンド部門では当時ピストンズにいたデニスロッドマンといい勝負をしていた。ロッドマンはディフェンスのスペシャリストだが、バークレーは得点能力も高かった。
 差詰め「冷蔵庫」が地響きをあげてジャンプし、腹から茶色のスイカを、底の抜けた籠の中にポコポコ吐き出していた、というところだろうか。
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# by kadensho | 2006-02-21 11:44 | NBAと冷蔵庫
<第6話>洗濯物の光景はとても風情があった。【吉田拓郎と洗濯機】
f0071459_15413584.jpg 2002年4月に中国に行って来た。上海のダウンタウンで一番目についたのは、住居の窓から路地に向かって垂直に突き出た物干し竿と洗濯物だった。中国政府は、二千八年の北京オリンピック、二千十年の上海万博を見据えて、この光景を排除するのに躍起になっているようだ。
 日本でも、ベランダに布団を干すのは御法度のマンションがあるとか良く聞く話だが、果たしてこういった光景は本当に街の景観を損なっているのだろうか。
 因みに上海で見た印象的な景観は、近代的な超高層ビルの群、出来立てのおしゃれなデートスポット「新天地」の夜、小室哲哉がプロデュースしたディスコ「ROJAM」の熱狂、赤ん坊を抱いて物乞いをして歩く夫婦連れ、近代的な地下鉄とそれを利用して通勤するビジネスマンの群、あちこちで起こる車の接触事故、土方現場で土砂を運ぶ人海戦術。そして、一番上海らしい風情を感じた光景は、窓から路地に向かって垂直に突き出た物干し竿と洗濯物だった。
 人が住む街には必ず「サブメディア」が存在して、人と「サブメディア」が織りなす光景こそが、街の景観だと思う。そして「洗濯物」は、何度も言うようだけれど、「サブメディア」を代表するものに他ならない。街の景観そのものである。景観そのものが景観を損なう訳がないのは当然である。
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# by kadensho | 2006-02-16 11:45 | 吉田拓郎と洗濯機
<第5話>「洗濯好きは、社交的」?【吉田拓郎と洗濯機】
 高校時代から「結婚しようよ」でプロポーズを受ける女性(実際のモデルは四角佳子さん、最近彼女を応援するサイトを見つけた)を勝手にイメージして、自分の結婚相手を想像していたような気がする。イメージは止めどなく広がるのだが、必ず浮かんでくる条件は、洗濯が大好きで、極めて社交的で、すっとぼけた味のある女性だ。そんな女性と一緒になって、或る日仲間を呼んで花をもらって、古いギターなんかを鳴らしてみたりするのが、結婚だと思っていた。

f0071459_17495078.jpg 洗濯好きをイメージするときに目に浮かぶのは、決して全自動洗濯機に汚れた洗濯物をぶち込むシーンではない。やはり真っ白な雲が流れる青空の下で綺麗になった洗濯物をパンパン広げて手際よく干して行くシーンである。実際に私の知る洗濯好きの主婦のほとんどは、洗濯が好きなのではなく、洗濯物を干すのが好きなのだ、と結婚してからはっきりした。そして、「結婚しようよ」からの勝手な妄想ついでに、もしかしたら「洗濯好きな主婦は、みんな結構社交的なんじゃないか」とも思った。
 そして、ある仮説が閃いた。それは「炊事」「洗濯」「掃除」の三大家事それぞれの得手不得手を知ることで、その人の性格が読めてしまうのではないかと。例えば「炊事好きは、好奇心旺盛」「洗濯好きは、社交的」「掃除好きは、きれい好き」‥‥。ん?ちょっと待て。最後の奴はそのまんまだ。この話題はもう少し煮詰めてから語るとしよう。
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# by kadensho | 2006-02-16 11:43 | 吉田拓郎と洗濯機
<第4話>洗濯機の恩恵を受けたのは‥‥【吉田拓郎と洗濯機】
 いや、むしろ当然のことながら世の社交的な主婦達の方が、よっぽどその恩恵に預かっている。洗濯機のお陰で主婦が毎日やるべき洗濯作業のメインは、洗うことから、干すことに移行した。干す作業は楽しかったし、自由な時間は画期的に増えた。
 無理を承知で例えると、あたかも戦後日本の高度成長期からバブル崩壊を経て、デフレスパイラルの渦に巻き込まれていった日本の製造業が採るべき道、少品種多量の時代から、多品種少量の時代、生販一体化、ダイレクトマーケティングへと一足飛びに進化させてしまう様なことを、家事の世界で「洗濯機」はやってのけたのではないだろうか。

f0071459_1549189.jpg 洗濯機は家事の最も過酷な部分を担った。それからは「とにかく洗わなくっちゃ」と、じっと堪え忍ぶ主婦はいなくなり、「今日も頑張って干すぞー」的ノリの主婦が増えたのだろう。母の世代の話しである。
 製造業の例えに戻らせてもらうと、「とにかく作らなくっちゃ」から「売れそうな物を見つけて、作って、売りたい」にしなければ生き残れないこれからの製造業の世界にとっての救世主「洗濯機」は、まさしく「インターネット」であると思う。やれデジタルだの、IT革命だのと、もっと大仰にパラダイムシフトだのと「インターネット」が取り沙汰される昨今だが、半世紀も前に現れた「電器洗濯機」は、とっくの昔にパラダイムシフトを巻き起こしているのだ。家電パワー恐るべしである。
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# by kadensho | 2006-02-16 11:41 | 吉田拓郎と洗濯機
<第3話>「洗濯機」の話をしなくては‥‥【吉田拓郎と洗濯機】
f0071459_17352549.jpg 家電の草分けとも言える電器洗濯機が日本に登場したのは昭和二十年代後半、つまり洗濯機は私と同世代である。それ以前には扇風機があったくらいで、電器冷蔵庫も電器掃除機もまだ存在しなかった。電器洗濯機は、いわゆる家事を助ける電化製品「家電」の中で最初に開発されたものであった。言い換えれば、洗濯が最も過酷な家事だったということではないだろうか。
 そんな想像を裏付けるドキュメンタリー番組を先日NHKで放送していた。「一年間で主婦が洗う洗濯物は象一頭分の重さになる」というのが、当時開発されたばかりの高価な洗濯機を売り歩く営業マン達のセールストークだったそうだ。そして、その家電第一号は、その高い値段にもかかわらずあっという間に普及することとなる。
 たらいと洗濯板を使って毎日々日手で洗っていた時代に、「二人で買った緑のシャツを、僕のお家のベランダに並べて干そう‥」ってな暢気な歌はきっと生まれなかっただろう。そう考えると、吉田拓郎がメジャーになれたのは「電器洗濯機」のお陰なのか。(オー!かなり話しが飛躍したが、何とかタイトルと結びついたぞー)
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# by kadensho | 2006-02-16 11:38 | 吉田拓郎と洗濯機
<第2話>洗濯物は「サブメディア」【吉田拓郎と洗濯機】
 自分で書いておきながら言うのもなんだが、「サブメディア」って何なんだ。広告の世界では、複数の広告媒体を効果的に組み合わせるときにメディアミックスという言葉を使い、メインメディアを補完するゲリラ的な告知媒体をサブメディアと呼ぶが、これは勿論「洗濯物」とは関係ない。
 また、つなぶちようじ氏は、ご自身のホームページで、掲示板やメーリングリスト、メールマガジンなどをサブメディアと名付けている。これも「洗濯物」とは無関係である。

f0071459_17415595.jpg 「ペアのシャツをベランダに干す」という、ただ単に日常の家事をこなしているだけで、人は知ってか知らずか社会と交流しているわけだ。つまりここで言う「サブメディア」とは、メディアの本流とは程遠いところで、極めて狭い範囲で、決して積極的に意図しない告知効果をもたらす「洗濯物」、あるいは「粗大ゴミ」「車のエキゾーストノイズ」「窓辺のBSアンテナ」「ネクタイの柄」「本の背表紙」「出前の丼」「サンマを焼く煙」「犬の散歩」等々‥‥‥ どうやら、サブメディアのサブは、サブカルチャーのサブに近そうだ。
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# by kadensho | 2006-02-16 11:37 | 吉田拓郎と洗濯機
<第1話>二人で買った緑のシャツを‥‥【吉田拓郎と洗濯機】
 吉田拓郎の「結婚しようよ」を最初に聴いたのは、三十数年前のことと思う。レコードになる前に彼自身の弾き語りを聴いて、深夜に鳥肌がたったのを憶えている。当時、ラジオの深夜放送は今の携帯メールのように、一部の中学生達のとても大切なメディアだった。そして、ギターを抱えてオリジナルを歌うフォークシンガー達は、青春のシンボルだった。その第一人者ともいえる彼が、自らをメジャーに押し上げた作品のテーマは皮肉にも、誰かが人生の墓場とまで例えた、究極の青春引退宣言「結婚」だった。
 この曲について語り始めたらきりがないほど、音楽的には勿論、結婚観にまで、実に大きな影響を受けた。特にサビのメロディラインは‥‥。などと話していると本当にきりがないので、音楽の話しはまた機会を改めて。今日は何とか洗濯の話しまでは持っていきたい。
 「二人で買った緑のシャツを、僕のお家のベランダに並べて干そう‥」というサビのくだりは、その歌詞の中で唯一、所帯じみた家事の場面を想起させる。洗濯である。「私達一緒に暮らし始めたんですよ」と声高に宣言する代わりに、ペアのシャツを自分の家のベランダに、近所の誰もが嫌でも見える位置に、堂々と掲げるのだ。戦国武将の旗印のように。この場合、洗濯物は狼煙と同じでコミュニケーションの手段と言えなくもない。差詰め「サブメディア」というところだろうか。
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# by kadensho | 2006-02-16 11:13 | 吉田拓郎と洗濯機



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●家事の章
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